2014年1月22日水曜日

「ヒロシマのうた」場面分け3


 第1の時、原爆投下直後の部分には、3つの主たる内容がある、と考えた。そして、それぞれに対応させて文章を3つに区切り、場面と考える。

場面1 原爆投下直後の広島の惨状
 始 「わたしはとのとき、水兵だったのです。」
 終 「わたしたちは、練兵場の外れにある林の中にテントを張って、交代にねることになりました。」
場面2 わたしが赤ちゃんとお母さんに関わる
 始 「その夜、ふとわたしは赤んぼうの声を聞きました。」
 終 「とても人のことなど頭にうかばないし、見えないといった様子です。」
場面3 わたしが赤ちゃんを夫婦に託す
 始 「駅の近くまで行ったとき、やっとリアカーに荷物を積んでにげていく二人の人に会いました。」
 終 「戦争ということが、こんな悲しいものであることを、そのとき初めて知りました。」

さらに細分化することもできると思われる。
例えば、書き出しの3文を一つの場面として「前ばなし」部分と考える。そうすると、作品の最後の3文を「後ばなし」部分としてうまく対応させることができるように思える。
(広島に入って行く「わたし」⇔広島から離れていく「わたし」)
また、作品で示されている≪時≫や≪場≫に応じて、場面を一層細分化できるのかもしれない。
だが、その後の展開にとって、ここで重要なのは、先に見た3つの内容的なまとまりであり、「わたし―赤ちゃん・お母さん」、そして「わたし―赤ちゃん―夫婦」という≪人物≫の関係の設定である、と考える。

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