第2の時、戦争が終わって7年目の部分を場面分けしてみる。
この部分は、次の3つの内容を持つ。
①ラジオのたずね人をきっかけに、赤ちゃんを預けた家族と連絡をとり、7年間の消息を知る。
②広島で1年生になったミ子(ヒロ子)と引き取ったお母さんと会う。
③その後の二人の消息を知る。
①→②→③は、出来事の時間的な順序であるが、①は過去に関する内容を含んでいる。
①では、まずわたしとお母さんが連絡を取り合うまでの経緯が記述され、その後にお母さんの手紙が引用される。そして、、広島で会う約束をするまでのことが記述される。
そして、お母さんの手紙の引用で、原爆投下直後赤ちゃんを預けてからの過去7年間の出来事でが明かされるのである。
場面分けに際しては、②、③についてはそれぞれ一つの場面とするが、①については、手紙の引用を一つの場面として、その前と後との3つに分けたい。
場面4(①の1)
始 「それから、長い年月がたちました。」
終 「それには、意外なことが書いてありました。」
場面5(①の2)
始 「――こんなに早く、あなた様からご返事がいただけるとは夢にも考えていませんでした。」
終 「(略)たずね人を出したわけでございます・・・・・・。」
場面6(①の3)
始 「『ありがとうございます。』」
終 「そういう返事を出しました。」
場面7(②)
始 「その年の夏、ちょうどあの日のように朝からぎらぎら暑い日、広島の駅で、(略)」
終 「『おおきに(ありがとう)。』と言ったきりでした。」
場面8(③)
始 「そのときの、何かヒロ子ちゃんの暗いかげが、いつまでもわたしは気になりました。」
終 「わたしもいつかヒロ子ちゃんのことを、忘れていくようでした。」
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